第２１号 2008.12.9
考える人，感じる人，学ぶ人 ── 議論のススメ
今私達人類は，それこそ解決したり，解決の方向性を見出したりしなくてはならない問題を抱えすぎて身動きが出来ない状態です。ですからこれからの地球は，世界や日本の様々な出来事に敏感に反応し，真剣に受け止めて自分の頭を使って考える人を必要としています。
与えられた情報を丸飲みにし，集団のあとについていくことでよしとする人では，いくら学歴をつけても，どんなに高い地位についても決して地球の歴史に役立つ人にはなれないでしょう。だから私は皆さんに自ら考え，感じ，学ぶ人になってほしいと強く思います。
そのために皆さんには勉強やスポーツだけでなく，ぜひ議論をやってほしい。１つのテーマについて深く考え，自分なりの意見を見つけて欲しいのです。
今回私が皆さんに投げかけたいテーマは２つ，「テロ」と「大量破壊兵器」です。
①「テロ」について
一昨年の9．11にニューヨークのツインタワーが破壊されて以来，アメリカは自分たちが正義のヒーローで「テロ」は絶対的な悪であるとしてアフガニスタンを攻撃しましたが，これは正しいのでしょうか。
アメリカは今や世界一強大な国で，軍事力でアメリカにかなう国は１つもありません。そうゆう国に対して正面から戦争をするだけの力は持っていないがアメリカの言うことをきくのは嫌だ！という人々や集団は，どうやってアメリカと戦えばよいのでしょう。
9.11ではたくさんの人々が亡くなりましたが，その後のアフガニスタンへの攻撃ではそれよりはるかに多くの人々が殺されたのは間違いありません。それなのに世界は（もちろん日本も）アメリカによるこの戦争を認めてしまった。おかしいとは思いませんか。
②「大量破壊兵器」について
アメリカはイラクや北朝鮮が大量破壊兵器を持つことを許しません。戦争までして，それをやめさせました。しかし，世界で一番多くの量と高い性能の核をずっと以前から保有し，広島や長崎に実際に落としたことを全く反省も謝罪もしていない国，それはアメリカ自身です。独立国家同士で，俺の国は持つ資格があるがお前はワルそうだからダメなどと言える理由はいったいどこにあるのでしょう。
これらの問題について誰も大きな声でおかしいとは言わないし本格的な議論すらできていません。これは世の大人達，政治家や○○専門家と言われるような人や，マスコミ関係者などが，いかに自分の頭で考えていないか，いかに頼りない存在であるかという証拠だと思います。
現代ほど個人の権利や自由が尊重されている時代はなかったはずなのに，皮肉なことに今ほど人々が自分の頭で考えず，鈍感な感性しか持てない時代もなかったのではないでしょうか。
議論をしてください！！家でも学校でも，友達やまわりの大人達と。お家の方も協力して下さい。世の中の出来事について情報を与え大人としての意見を話してやって下さい。学び，感じ，そして自分の頭で考える人を増やしていくために。
《塾長》